|
|
|
|
|
|
Home > 旅の日記(Diary
of travel) |
|
|
Column Last up date:2005.10.07 |
|
|
| 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
|
|
|
|
Varanasi滞在記 vol.3 「クリスマスイヴ」 |
2004年12月24日 |
|
|
|
俺達が会場であるガート沿いの広場に着いた時には、すでにタケちゃんのファイアースティックが終了した後だった。今夜は久美子ハウスのメンバーが外でパーティーをやっている。
すぐにポイ(鎖の先端にボールとかくっつけてブンブン回す)に火が点き、ファイアーポイショーが始まった。ディージュ(アボリジニーの吹奏楽器。アリに食われて中が空洞になったユーカリの木を使う。)と鋼琴(鉄で出来ていて口に加えて鳴らす。)、ジャンベ(アフリカの太鼓)、ギターがそれに合わせる。演奏が激しくなるに連れて、ポイのスピードが上がる。目には炎の残像が残り、タケちゃんはその中で炎に包まれ、時折表情が見てとれる。ガンジスの目の前で弧を描いていたポイは、やがて油が切れて、少しずつ勢いを失った。炎が沈み、音が止むと、元の月明かりと静寂の世界に戻った。いつの間にか、後ろにもう一つ、観客の列が出来ていた。
列と列の間に、誰かが蝋燭を立て、火を点けた。その小さな炎を見ると少し体温が上がるのを感じた。と同時に、また非現実の世界へ戻っていく様な気がした。次のセッションには白人とインド人のジャンベが加わり、計4つのジャンベとディージュの演奏になった。4つのジャンベは互いに競い合い、呼応し、重なる。音がまるで生き物のようにそのサイズやカタチを変え、夜のガートを這い回る。
月を見上げた。明日、明後日あたりには満月なりそうだ。もし満月なら何かが起きそうな、そんな妖しい空気だった。逆に少しホッとした。演奏が終わった時、皆の肩からいっせいに力が抜けたのが分かった。それは皆が俺と同じ様に、息をのみ、声を潜めて、体全体で音を感じていた事を知るのに十分だった。
妖しさと心地よさの混ざった不思議な空気に包まれたクリスマスイヴは深夜近くまで続いた。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
Copyright
Ashfeel.com 2004-2005. All right reserved |
|
|