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中国→パキスタン。「風の谷」へ 2005年8月5日
中国側の国境町タシュクルガンからバスでフンジュラブ峠を越え、パキスタンに入国した。カリマバード一帯はフンザと呼ばれ、「風の谷のナウシカ」のモチーフになっていると言われている。飯も旨いし、気候も良い。雪山や谷が目の前に広がるゲストハウスは居心地も良い。長居する日本人が多いのももっともだ。





ラサへ向かうカトマンズからのツアー以来、ほぼ同ルートで、多少前後しつつも一緒に旅をしてきたアルゼンティ−ナのダニーとはタシュクルガンでお別れとなった。



ダニーはロシア人とポーランド人をルーツに持つユダヤ教徒(本人は熱心ではない。)で、第二次大戦前に祖父母がアルゼンチンに来たのだという。小学校の先生をしていて、これまでに長い旅も経験している。気が優しくて、一度も怒ったり、誰かに対し悪態をついている所を見なかった。





一緒にいて、何も話さなくても気マズくない、変に気を使わせない人がいるものだ。「間をもたすことの出来る人間」。彼がその人だった。飯を一緒に食うが、あとは気が向けば一緒に出かける程度。けど、これが案外具合良い。カシュガルで再会して以降は、遅めの晩飯の後、毎日彼のホテルの中庭でビールを飲みながらいろいろ話した。彼は驚くほどに世界情勢や政治、戦争、侵略、独裁の歴史などに詳しく、南米の歴史をはじめ色々な話をしてくれた。俺は毎晩、辞書と紙とノートを持って出るようになった。





「学校で何を子どもたちに教える?」との俺の問いに、彼は答えた。



彼はやはり、コントロールされた情報や、そこから来る、ちょっとTVで、雑誌で見ただけで「全てを知ったつもりになっている」状態を大変危険だと思っているようで、「情報はそれが本物であっても、あくまで真実の一部であり、全てではない。そして自分が望めば、そのほかの角度から見た事実を知る事も出来るんだと言うことに気づかせてあげたい。」と言う。



下手すると、教師が生徒以上に、「何かを知った風」である場合も多い。視野の狭い人間に教わると、子ども達の探究心が薄れる。ダニーは教育者にふさわしい人間だと感じた。俺も何ヶ国かを旅してきて、流動的な生活に慣れてきてはいる。けど何かを見たような顔をして、その国を、文化や人を、知った風に誰かに話していないか?何を見たんだ?いくら自分にとって新しく、刺激的であったとしても、やはりそれは真実のたった一部分でしかないハズ。何かを見るという事は、何かを見ないという事。もう少しちゃんと意識しないと。





予定では今日、フライトを使って、カシュガル→ウルムチ→成都。1週間の滞在の後は、クアラルンプール経由でブエノスアイレスへ帰る。お疲れさん。ダニーとの会話は、カシュガル滞在をいっそう面白く、居心地良くしてくれた。





次にはスペイン語で、教育について話せるようになってたいなー。いい出会いは、刺激と目標をくれる。ダニーに感謝。

きっといつか再会したい人がまた一人増えた。




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