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チベットへの道 2005年6月26日
21日朝にカトマンズを発ち、4泊5日。

ようやくチベットの首都ラサに到着したのは25日の夕方。いや、なかなか厳しい道のりだった。オレにとっては、悪路よりも高山病との闘いの日々だった。





1日目。朝5時半に指定場所に行くが、誰も迎えに来ない。結局7時前にようやくツアーの係員が来て、国境までのバスへ乗り込む。そこでも相当待たされ、結局カトマンズ出発は8時半を回っていたように思う。中国(チベット自治区)国境の町コダリまでは道も良く、標高は2300くらいだが、近づくにつれて手足の先が痺れ出した。続いて顔も少し痺れ出した。3000m行かずして早くも高山病になるとは情けない。しかし、この時点では頭はほとんど痛くならなかった。ボーっとしていて、なんなら少し気持ち良いかも。人によっては気持ち良くなる場合もあると聞いた。もしかしたら今回は高山病ではなく「スカイ・ハイ」なのでは!と一瞬期待したが、国境を超えチベット側のダムに入った途端、頭痛もやって来た。ツアー全員分のチベット自治区入域許可証の発行が遅れ、目的地のニュラムに進めない。結局許可書取得は明日の朝となり、ダムに一泊する事に。オレにしてみれば高地順応のためにもスローペースは大歓迎。とにかく寝た。





2日目。体調も少し良くなり、ランクル3台に別れてラツェを目指す。なんせ今日は5050mの丘を通るのだ。しかも昨日到着予定だったニュラムまでの道のりがプラスされる。どう考えたってヤバイ。朝9時半には許可証を受け取れるとか言っていたくせに、結局ガイドを乗せた一台を置き去りにして2台でスタート。すぐに悪路になり、ガンガン揺れる。乗り物酔いには強いのだが、やはり高山病を発症。相乗りの韓国人のおっさんの持ってる腕時計の高度計が景気良く右肩上がりを続ける。途中見晴らしの良い峠があり、オレは頭痛と闘いながらも、風に吹かれ、バタバタとはためくタルチョや、はるか向こうに霞む8000m級のヒマラヤ山脈に酔う。なんとか本日の峠をクリアした事に大いに満足した。



しばらく進んだが、一向に下る気配がない。むしろ上っている気がする。韓国人のおっさんに確認を求めたところ、高度計は4600m。え?もうそんなに下って来たのか?ここでかなりヤバイ事実が発覚。オレは勝手にさっきのが5000mの峠だと思い込んでいた為、おっさんの高度計をチェックしていなかったが、おっさんによるとさっきの峠はたったの?4200mだったらしく、本日のメインイベントはこれからであるらしい!その後もガンガンランクルは上り続け、高度計の表示が4800mを超えたあたりで向こうの方に峠を発見。アレだ!アイツに違いない。峠に近づくにつれ高度計はぐんぐん記録を更新。さらに頭がボーッとしてきた。ようやく峠について、フラフラながらも一応記念撮影のために車を降りる。なぜか近くをうろついていたガキを捕まえ、「子供がこんなトコで遊んじゃイカン!」と叱り付けてから、必死のスマイルで一緒に記念撮影。周りを見渡してみるとガキのウチかとおぼしきテント発見。近所の子だったとは。タフなのね。



なんとか乗り切り、後は下るだけなのだが、何故かさっきよりも具合が悪い。頭痛に加え、顔手足はひどく痺れ、顔はむくんで何も考えられない。必死で大きく呼吸をして、水を飲む。隣に座る日本人の翼くんに話しかけようとして愕然とした。口がまともに開けられないのだ。出る言葉もコモっていて、自分でも酷く聞き取り辛い。メシ食いながら話してるみたいにモゴモゴなのだ。記念にデジカメでビデオでも撮ろうかと考えたが、実行する気力ナシ。なんせ息するだけで精一杯。





ラツェへの途中の検問でパスポートのチェックがあった。俺達全員分のパスポート&入域許可証は後から来るガイドが持っている為そこでしばらく待ったが、さっぱり現れる気配がない。最悪ガイドの乗った車が間に合わずに検問所が閉まれば、ひとつ手前の町に戻る事にもなりかねない。この悪路の中、高山病と必死に闘いながらここまでたどり着いたのだ。戻るなんてあり得ないだろ。ここで全然ガイドしてくんないドライバーのおっちゃんが実力を発揮。検問係員のアホタレ中国人と交渉し、パスポートのコピーで通過出来るようにしてくれた。しかし、5人の乗客のうち、オレただ一人がパスポートのコピーすら持ち合わせておらず(つい最近パキスタンビザ取得のために提出してしまった。)、またまた交渉は難航。だが最終的にはドライバーのおっちゃんの顔が利き、皆一緒に無事検問を通過出来た。いや、ご迷惑おかけしました。





ようやくラツェ(4000mちょい?)に到着し、体調も少し回復したので、晩メシをたらふく食った。雲南省でも良く食った卵とトマトの炒め物、ジャガイモと肉の炒め物だ。ホテルのレストランで食った為40元以上取られたが、味は良かった。汚いドミトリーに詰め込まれ機嫌良く眠ったのだが、それも長くは続かなかった。なんせ2時間おきに頭痛で目が覚める始末。起きては頭を掻きむしり、頭痛に耐えた。



ペルーの時と全く同じだ。以前カナダからペルーに旅行した際、海沿いの首都リマからマチュピチュ遺跡の玄関口クスコ(3200m)まで、夜行バスで24時間かけて一気に上った。そこでオレは初めて高山病を体験した。クスコに着いた時点で頭がボーっとしいたのだが、小学生の頃富士山に登ってもなんともなかったので、高山病を甘く見ていた。食べモノを探して市場をウロつき、宿に戻った時には頭がガンガン。慌てて持っていた薬を飲んだが一向に効かず、一晩中寝たり起きたりを繰り返し、頭を掻きむしって過ごした。結局2日待っても完全には治まらず、頭痛を抱えたままマチュピチュ(2300m)に向かい、高度が下がったら治った。あの夜は、これが人生最悪の夜だろうと思っていたが、またしてもその悪夢をチベットで存分に体験する事となった。もう勘弁。





今回は結局3日目の目的地シガツェに着いて、なんとか最悪の状態は治まったが、やはり少し歩き回ると頭が痛くなる。ラサ(3700m)に着いた今でも無理は禁物の状態だ。しかし、こんなに高地順応に時間がかかるとは。オレは相当高山に弱いようだ。2日目に遠くに望める筈だったが、曇りの為見逃したエベレスト。そのベースキャンプ(5200m?)に行きたいのだが、高額なツアー料金よりも、むしろ高山病が気にかかる。

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