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「イロー」と遊ぼう。 2005年6月15日
旅のテンションを上げる為、荒療治に出てみた。計算抜きで、思い切り人間にまみれ、ガチンコで勝負してやろう。そう思ったからだ。



そこで孤児院に行ってみた。ポカラに行く前に、日本人の知り合いに連れてってもらったので、場所は知っているはずだったが、建物の色を覚えていなくて相当苦労してやっと見つけた。施設名は「おしん-OSHIN-」、ネパール語で「おしん」は、「純粋な-pure-」という意味らしい。マオイストによるテロや交通事故等、様々な理由で両親のいない2、3歳から12、3歳までの19人の子供達が一緒に暮らしている。切り盛りしているのは、施設長と奥さん、お手伝いさんの3人だけ。今は白人の女の子が一人、住み込みで手伝っている。俺が行った日も俺以外、通いのボランティアはなし。道が難しいので、誰かに連れてきてもらわないと来れない、というのもボランティア不足に拍車をかけているようだ。





ボランティアは子供たちが学校から戻ってくる5時過ぎから始まる。遊んだり、宿題したり。若い男は俺一人なので、肩車や、脇を抱えて持ち上げて、ぐるぐる回してやったりすると大騒ぎして喜ぶ。常に3、4人が体にしがみついている状態。このしがみつくガキンチョ達を振り回したり、後ろからケツを蹴って、笑いながら逃げるバカちんを大外刈りで仕留める。これがお祈りの時間までほぼずっと続き、Tシャツは部活でバスケやってた頃のようにビチャビチャになる。二日目からはタオル持参。水のボトルも新しいのを買っていくようにしている。はっきり言って、一人で大勢の子供達全員に愛情を注ぐのはなかなかタフだ。もっと大勢が助けに来てくれれば。と思った。





7時半頃にお祈りの時間というのがある。その時ばかりは皆私語を慎み、立って歌う子について、お祈りの歌を歌う。真ん中には二人の踊り子が出る。踊りもなんだか可愛いし、お祈りの歌が日本の民謡「お馬の親子は...」に良く似ていて、これまた耳に優しい。いつも少し幸せになって、少し切なくなって、泣きたくなる。このお祈りの時間が俺は大好きだ。





初めて行った時、俺を連れてってくれた、ヒロシ君はあだ名が「トッピ」だった。丸刈りで弁髪みたいな髪型をネパール語ではそう言うらしい。俺にも何か付けなさい、と頼んでみたところ、誰かが「イーロー!」と叫んだ。意味は聞いてもさっぱり分からなかったが、とにかく覚え易いらしく、皆が嬉しそうにイロとか、イローとか呼ぶのでそのまま、「イロー」としてやっていく事になった。以前長期で手伝っていた日本人の「たかし」さんの事を皆大好きだったらしく、日本人男性に対する反応はかなり良い。日本語を覚えるのも楽しいらしく、「イタイ、ダメ、イタダキマス。マタアシタ。」を連発。晩飯を食い終わってもイタダキマスなので、ゴチソウサマと、寝るときのオヤスミナサイを教えといた。





飯の後の歯磨きも済み、チビ達が少し落ち着くと、12、3歳の年長の男の子がやって来たりする。いつもお兄さん役で、皆を静かにさせたりするリーダー的存在なので、夕方の時間は小さな子達に遠慮して思い切り甘えられないようだ。抱き上げてやると、嬉しそうに首に腕を絡めてしがみつく。彼だって甘えたいのだ。皆元気そうに見えても、やはり親からの愛情は絶対的に足りない。ただ笑いながら一緒に時間を過ごすだけ、愛情を持って抱きしめられる、そういった単純な行為が、どれほど子供達にとって大切な時間であるか。寝る時間になって、ベッドの中から何度も「明日も来るのか。」と念を押し、別れを惜しむ姿に、やがて別の町に動き、彼らとも二度と会えないだろう自分の立場を思い、少し胸が痛む。自分もたまたま流れて来て、またすぐ去って行く一人にすぎない。しかし、短期間であっても、何かしら子供達にとってポジティブに働く部分があるだろうと信じたい。イロー、イロー、オヤスミナサイ!マタアシタ!元気な声に見送られながら施設を後にする。







今日は、昨日子供達からせがまれたサッカーボールを買ってきた。昨日の夜、「OK探しておくよ。」なんて適当な返事したのだが、皆OKしか聞いていないらしく、大喜びしてしまった。もう、サッカーボール買って行かないと、子供達に追い返されるんじゃないか。そう思えるくらい喜んでしまった。ボランティアが数人いれば、これも皆で少しづつ出し合えば買えるのに。とか思っていたが、探してみると意外に安く見つかり(小学校の授業で使うようなゴム製の安物だけど。)、少しほっとした。施設長に相談もなくモノを与えて良いものかどうか、少し悩んだが、贅沢品でもないし。子供達喜ぶんだろーなー。



「イロー」はサッカーボールを抱え、今日もぎゅうぎゅうの乗合ワゴン&徒歩で、愛情に飢えたガキンチョひしめく「おしん」へ向かう。

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